看護師・キャリアの悩み解決コラム2 口から食べてもらう努力を!摂食・嚥下障害と向き合う

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口から食べてもらう努力を!
摂食・嚥下障害と向き合う

「食べるを支える」看護師のやりがい

今回は、「食べることを支える」看護やケアをご紹介します。体力のある方は、夏バテも大きな問題になりませんが、高齢者や重病の方にとっては重大な問題です。また、「食べること」は栄養を摂取するという意味だけではなく、「生きる楽しみ」にもつながります。摂食・嚥下障害を抱える方々と向き合い、ケアする―今後のケアに求められていく一つの形です。



■栄養状態を保つには、口から食べられることが重要

5年前の診療報酬改定で「栄養サポートチーム加算」が設けられ、
病院ではNST(栄養サポートチーム)が急速に広がりました。
栄養管理の重要性が、病棟でも強く認識されていることでしょう。

今後、後期高齢者が増加していきますが、栄養状態を良好に保つ
には、患者さんが“口から食べ続けられるように支える”ことも
とても重要になるはずです。

病院でも摂食・嚥下チームが少しずつ広がっています。チーム
では看護師は多職種をまとめていく上で重要な役割を担います。

■口から食べてもらうための努力をしていますか

ただ、NSTが広がる以前から、チームで摂食嚥下療法に取り組む
看護師の方は、胃ろうが普及してから、現場は口から食べさせよう
としなくなったのではと危惧していました。

胃ろうが存在しなかったころ、その方は神経難病患者の病棟を
担当していました。患者さんが食べられなくなれば、そのまま
亡くなることを意味するため、看護師たちも何とか食べてもらおう
と、皆必死だったそうです。

その時の経験から、生きる根源は食べることと考えるようになり、
摂食・嚥下療法に力を入れたそうです。

「現場は、口から食べてもらうための努力を本当にしていますか」
彼女の言葉が印象に残っています。

■診療報酬と介護報酬でも「口から食べる」を評価

その後、「口から食べてもらうための努力」は、制度の上でも
次第に評価されるようになってきました。2014年度の診療報酬改定
では、摂食機能療法を通じて、経口摂取を回復させている取り組み
に対する評価が上がりました。

今年度の介護報酬改定では、施設などの入所者が食事の経口摂取
が困難になっても、口から食べる楽しみを得られるように、多職種
で支援することを評価しています。

病院から介護施設に転院する場合「胃ろうを着けなければ入所は
できない」などといった話もよく聞くでしょう。しかし、今後は
胃ろうだけに頼るのではなく、できるだけ口から食べ続ける取り組み
が求められると思います。

■摂食・嚥下障害看護認定看護師の活躍に期待

患者さんができるだけ長く、口から食べ続けるためにも、摂食・嚥下
障害看護認定看護師によるサポートは重要でしょう。資格者は全国で
521人(2015年1月時点、日本看護協会調べ)と、まだまだ十分とは
言えませんが、活躍の場は広がっています。

急性期病院に勤務する同認定看護師のOさんは、くも膜下出血で
入院し、手術から数日の患者さんに口腔ケアやフェイスマッサージ
を行っています。これによって、廃用症候群を予防し、「食べるため
の準備」をしているそうです。

また、病棟の看護師に口腔ケアの重要性を伝えながら、スキルアップ
を図っています。さらに、地域の歯科医師会と連携し、一緒に病棟を
ラウンドしているそうです。

この病院では現在、摂食・嚥下療法にかかわるスタッフは、Aさんと
言語聴覚士の2人のみです。摂食・嚥下療法を必要とする患者さんは
潜在的にかなり多いというのですが、マンパワーの不足で対応できる
人が限られてしまうのが、目下の悩みです。

今後は院内と院外の両方に協力を求めながら、より多くの人に
摂食・嚥下療法を提供していくことを、Oさんは望んでいます。

■家に帰ってからの食事、水分の取り方も指導

回復期リハビリテーション病棟に勤務するKさんも摂食・嚥下障害
看護認定看護師として、患者さんの口から食べることを支えています。
自宅に帰ることが決まった患者さんの退院支援も重要な役割です。

Kさんは、患者さんが家に帰ってからも引き続き口から食べられる
ように、食形態や水分形態を、言語聴覚士、管理栄養士、医師などと
一緒に決めます。

そして、家族への説明や指導を行います。実際に食事を作ってもらい
適切な調理法や食事の方法を理解してもらいます。

摂食・嚥下障害看護認定看護師は、セラピストや栄養士、さらに、
歯科医師や歯科衛生士も含めて多くの職種をマネジメントしていく
ことが求められます。

■食べる喜びを取り戻せたことを分かち合う

口から食べることを支えるケアは、患者さん、ご家族と一緒に
喜びを分かち合うこともあるようです。

ある訪問看護師の方は、90歳の時に胃ろうを造設した在宅の患者
さんと、96歳でその方が亡くなるまで関係が続きました。

その方は水の飲み込みができたため、摂食・嚥下障害に詳しい
歯科医師と協力しながら、胃ろう造設から1年後にはお茶をトロミを
付けて飲めるようになりました。その後も、ゼリー、ベビーフード、
コーンスープ、パン粥、豆腐、カステラを柔らかくしたものなど、
いろいろなものを食べられるようになりました。

患者さんは96歳で老衰で亡くなりましたが、亡くなる2週間ほど
前まで、飲み込みができたようです。家族の方も最期まで支援して
くれたことにとても感謝していたといいます。この訪問看護師さん
も患者さんが食べる喜びを取り戻せて本当に良かったといいます。

「口から食べる」という生きていく上での根本的なことをチームと
共に支えていく。認定看護師に限らず、今後強く求められるケアの
一つといえそうです。



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