看護師・キャリアの悩み解決コラム5 ビッグデータ活用が看護の質を飛躍的に向上させる!?

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ビッグデータ活用が看護の質を
飛躍的に向上させる!?

病院のビッグデータで看護の質向上を

今回は、日本看護協会が全国521病院(3984病棟)で
看護の情報を活用した新たな事業を始めたという話題です。
皆さんの将来の働き方にも影響を与えるかもしれませんので、詳しく解説をいたします。

事業に参加する病院は「500−599床」(125施設)が最も多く、
以下は「300−399床」(112施設)、「100−199床」(90施設)の順。

都道府県別の病院数では、大阪府が56施設とトップで、
次いで東京都(48施設)、愛知県(40施設)、兵庫県(28施設)と続きました。



■看護の“見える化”で自院を知る

事業の流れはこうです。

参加病院は、
▽病院・病棟 ▽看護職員 ▽褥瘡 ▽転倒・転落 ▽感染―
など、8つのカテゴリーの評価指標をインターネット上で入力。

すると、そのデータは瞬時にグラフ化され、
他の病院と比較する「ベンチマーク評価」が
リアルタイムで可能となります。

評価の際は、
「構造」(ストラクチャー)
「過程」(プロセス)
「結果」(アウトカム)
の3つの側面から、看護と労働の質を見ていきます。

褥瘡を例に考えてみましょう。

ストラクチャーでは、例えば、100床当たりの常勤看護職員数や
褥瘡ケアに関する総研修時間といった組織の状況のほか、
褥瘡ハイリスク患者の割合や「重症度、医療・看護必要度」など
患者の情報も見ていきます。

プロセスでは、褥瘡予防ケアの実施内容や
褥瘡のリスクアセスメントなど、
看護の実践内容に着目します。

最後のアウトカムでは、
褥瘡推定発生率や新規に発生した褥瘡の改善率など、
看護ケアの結果の部分を評価します。

看護協会によると、病床数が同じ規模の他病院と比較したり、
自院の病棟間の違いを把握したりする機能もあるそうです。

つまり、看護を“見える化”することで、
自院の強みや弱みを知ることができるのです。

こうした結果を基に、看護管理者は自院の目標を設定し、
看護実践の改善に取り組む一方、
看護職員は自分たちの仕事の様子が目で見て分かるため、
モチベーションの向上も期待できそうです。

■モデル事業で他部署との連携強化

今月1日のスタートに先立ち、
看護協会では2013、14年にモデル事業を行いました。

同事業に参加した三重県内の病院では、
看護部では出せない在院日数や患者数は企画課、
それ以外は診療情報課に依頼するなど、
他部署との連携を進めたそうです。

それにより、院内にある情報の活用の幅が広がったとか。

鳥取県の病院でも、看護部が持たないデータを
情報管理室が持っていることが分かり、
院内の連携が深まったといいます。

この病院では、モデル事業への参加をきっかけに、
8つのカテゴリー以外のデータも集めた結果、
膀胱留置カテーテルの抜去の時期が早まったそうです。

一方、大阪府の病院では、
外科病棟の「転倒・転落」が他病院より高い傾向が見られたため、
詳細を調べたところ、大半は患者への実害のない「レベル1」で、
他病院よりも定義を厳密に守っていることが分かりました。

また、高知県の病院では、
パーキンソン病のリハビリ目的の入院が多く、
転倒の発生率が高かった病棟で、
多職種による検討を重ねたことなどにより、
患者への声掛けの状況が改善されたといいます。

■医療機関で進むビッグデータ活用

こうした病院のベンチマーク評価は、
看護の分野だけではありません。

例えば日本病院会では、患者満足度や褥瘡発生率、
糖尿病患者の血糖コントロールといった32項目の指標を作成し、
医療の質向上に取り組んでいます。

また、急性期医療では、
DPC制度(一日当たりの入院医療費の包括払い)の
患者情報の活用が進んでいます。

日本循環器学会では12年度から、
循環器病のデータ収集を行っており、
同年度分の症例数は狭心症が18万419例に上るそうです。

同学会では、
「日々の診療で多忙な専門医の時間を奪うことなく、
質の高い日本全体のデータ収集が可能になる」としています。

14年度の診療報酬改定では、厚生労働省の形式に従って
患者の診療情報を提出する病院を評価する
「データ提出加算」の対象が全病棟に広がりました。

DPC制度に参加していない医療機関でも、
7対1入院基本料や地域包括ケア病棟入院料等を算定している場合、
DPCと同様のフォーマットによるデータ提出が義務付けられました。

国はデータの提出にインセンティブを設け、
多くの医療機関から情報を収集することで、
科学的な根拠に基づいた報酬体系を確立させようとしています。

今回のデータについて看護協会では、
「政策提言のためのエビデンスとして有効活用し、
看護政策の実現を目指す」としており、
日々の看護ケアが皆さんご自身の働き方を
変えることになるかもしれません。



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