看護師・キャリアの悩み解決コラム10 看護師が疾病予防に取り組む時代〜「一億総活躍社会」に向けて

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看護師が疾病予防に取り組む時代〜
「一億総活躍社会」に向けて

看護師に新たに求められる予防の視点

今回は看護師に求められる予防の視点を考えたいと思います。国は医療費削減も視野に入れつつ、病気を未然に防ぐ、重症化させないという対策を強化していくと考えられます。



■「一億総活躍社会」が看護師に期待すること

 安倍晋三首相が第3次改造内閣のスローガンに「一億総活躍社会」
を掲げました。国民一人ひとり、子どもや高齢者も含めた誰もが、
家庭で、職場で、地域で、活躍する場所があり、将来の夢や希望に
向けて取り組むことができる社会を目指すとあります。

 社会保障の分野では、「介護離職ゼロや生涯現役社会の実現」が
挙げられていますが、生涯現役社会に向けて、看護師による疾病予防
が重要になるのではないでしょうか。

 生涯現役社会に向けた布石は既に打たれています。近年注目されて
いる「健康経営」がその一例です。
 これは従業員の健康が経営に影響を及ぼすことから、メンタルヘルス
を含む健康管理に積極的に取り組むことで、さまざまな疾患を予防し、
従業員に元気に働いてもらおうというものです。

 健康経営の考え方を具体的に推し進めたのが、今年4月からスタート
した「データヘルス計画」と言えます。

 健康保険組合がレセプトなどのデータを分析し、それに基づいて
加入者の健康維持、増進のための事業計画を立案、実施していくもので、
健康寿命の延伸、さらには医療費の適正化に結び付けることも目的です。
 医療費が年間500万円に上る人工透析になる人を極力減らしていこう
といった意図も見えてきます。

■データだけでは不十分、看護師の専門性が必要

 データヘルス計画に伴い、健康保険組合のデータを分析する企業は
一気に増えました。このような中に、看護の視点を生かした健康支援を
しようという企業があります。その企業の会長さんは看護師です。

 健康保険組合からもらったレセプトデータと健診データを分析し、
リスクの高い患者がいれば抽出し、健康対策の提案や治療とケアの計画
の立案、質管理などを行っています。
 治療が適切に行われているか医師にも確認し、ガイドライン通りに治療が
行われているか確認したり、かかりつけ医と専門医をつないだりします。
 また、患者に生活習慣を改善してもらい、患者のデータを常にチェック
しながら、患者に介入していくそうです。

 データサイエンスという最新技術を利用しながら、看護の専門性についても
生かすお仕事と言えます。

 ただ、患者さんは機械ではなく、人間です。いくら検査値が悪いことを
数字だけで示しても、生活習慣を改善しようと動き出すでしょうか。

 その看護師の方は、誰でも健康でありたいと思っていても、ストレスの
ためにお酒を飲みすぎたり、食べ過ぎて肥満になってしまい、改善しよう
としても、うまくできないことも理解できると言います。

■目標がない人の健康を、どのように引き上げていくか

 大事なことはその人の本質的な課題を知ることだといいます。

 以前かかわった糖尿病が重症化していた男性は、自分の治療に意欲を
示さなかったそうですが、自宅で認知症の父親の介護で疲れ切っていた
ことが理由でした。
 この場合、まずは父親の介護の負担を軽減するための支援を行わなければ、
本人も自分の課題に取り組めないといいます。

 相談の中でも、何のために生きるのか、誰のために健康になりたいのか
を聞いていくそうです。健康相談をしても、生きる上での目標や目的ない
人は少なくないといいます。
 目標や目的があってはじめて、自分の健康を気遣えるので、
目標がない人をどうやって引き上げていくかが、問われているというのです。

 従業員50人以上の事業場に対し、労働者の心理的負担の程度を把握する
検査が義務付けられる「ストレスチェック制度」が12月からはじまりますが、
こちらも同様に患者さんの本質的な課題を知ることが求められるでしょう。

 老若男女が健康を守れるようにかかわっていくのは、
看護師の一つの大きな役割ではないでしょうか。
その役割と国の政策とは、本当は関係のないところだと思いますが、
このような流れがあることを理解しておいてもいいでしょう。



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