看護師・キャリアの悩み解決コラム13 次回の診療報酬改定で、看護師の夜勤負担は増える?減る?

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次回の診療報酬改定で、
看護師の夜勤負担は増える?減る?

どうなる!?夜勤72時間ルールをめぐる“攻防”

以前、診療報酬の入院基本料における「看護職員の月平均夜勤時間数は72時間以下」とする要件、いわゆる72時間ルールについて取り上げましたが、改めて看護職員の夜勤について考えてみたいと思います。



■72時間ルールの変遷

2016年度診療報酬改定に向けた議論の中で、
同ルールを緩和しようとする動きがあります。
看護に携わる皆さんの働き方に影響を与える同ルールが、
変わるかもしれません。

同ルールは06年、入院基本料の通則となり、
入院基本料を算定する病棟では、夜勤の看護職員
(療養病棟は看護要員)を2人以上配置し、看護職員の
月平均夜勤時間数を72時間以内とすることが定められました。

しかし、10年度の診療報酬改定で、一般病棟7対1や10対1
入院基本料の届け出医療機関で、72時間ルールのみを満たせない
場合の減額幅が2割に緩和される「激変緩和措置」が創設され、
14年度改定ではその対象病棟が拡大されました。

同ルールはもともと、看護職員の夜勤負担を軽減して、
働く環境を改善する目的で導入されました。

看護側の要望などによって診療報酬上で実現されましたが、
病院側からすると、同ルールを守らないと診療報酬が
減ってしまうため、導入に反対する意見もありました。

■72時間ルールをめぐる、各団体の動き

12の病院団体で構成される日本病院団体協議会(日病協)は
昨年7月、厚生労働省に対し、
同ルールの在り方などの検討を求める要望書を提出。

導入から10年となる16年度改定で、その在り方や今後の方向性、
制度の撤廃などについて、十分な議論がなされるよう求めました。

病院団体の要望に反応したのが、日本看護協会(日看協)です。
同9月に東京都内で開催された「日本看護サミット」で、
日看協は、夜勤72時間以内という要件が通則から外れた場合、
「看護職員の夜勤負担が増大し、離職者が増え、
病院は看護職員が確保できなくなる」
とし、この要件を堅持するよう緊急宣言を発表しました。

さらに、日看協は厚労省にこの要件の堅持を求める要望書を提出。
看護職員の夜勤環境を後退させないよう、
強い姿勢で臨む構えを示しました。

■中医協での議論は平行線

同ルールの在り方をめぐっては、診療報酬の改定案を検討する
中央社会保険医療協議会(中医協)でも
議論が繰り広げられています。

厚労省は、11月の中医協で、同ルールについて、
16年度改定時も維持した上で、
現在は夜勤時間を算出する際の対象外となっている
月夜勤時間数が16時間以内の看護職員を
対象に加えることを提案しました。

しかし、この提案に対して、月平均夜勤時間の計算対象とする
夜勤時間数を緩和することで、夜勤看護職員の数が減ったり、
既に夜勤が多い看護職員の夜勤時間がさらに増えたりすることを
懸念する声が上がるなど、診療側と支払側の意見は対立しました。

その後の中医協でも、同ルールを見直すか検討されましたが、
双方の主張は対立し、議論は平行線をたどりました。
この議論はどういう形で決着が付くのでしょうか。
その行方に、ぜひ注目してください。

■看護職員の平均夜勤時間は二極化

ところで、看護職員の夜勤の実態はどうなっているのでしょうか。

日看協が病棟の看護師長や看護職員に実施した調査によると、
看護職員の1カ月の平均夜勤回数は、
2交代制(変則含む)の場合で4.4回。
3交代制(同)では約8回でした。

日看協が病院に行った調査では、一般病棟で働く看護職員の
月平均夜勤時間は67.6時間で、その分布をみると、
「64時間以下」(37.2%)と「80時間超」(26.2%)が多く、
二極化している実態が浮き彫りになりました。

さらに、病院に勤務する看護職員には、未就学の子どもを
持つ人の割合が増加傾向にあり、子どもがいない人の方が、
平均の夜勤回数が多いことも分かりました。

夜勤負担が重くなると、注意力や集中力の維持が難しくなり、
医療事故のリスクが高まります。また、その負担が続けば、
循環器疾患や乳がんなどの発症リスクが高まるとされています。

看護職員の夜勤環境を守る実効性のある基準は、
同ルールしかないのが現状です。
どのようにすれば、看護職員の夜勤負担が軽減されるのか―
幅広い視点からの議論が求められます。



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