第22回DPCマネジメント研究会学術大会では、日本在宅医療ケアアライアンス議長の新田國夫氏が「介護サービスと医療」をテーマに講演した。地域包括ケアの意味を振り返りつつ、高齢者の入院医療のあり方や、地域づくりについて、再度検討することを促した。【大戸豊】

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地域包括ケアの意味について振り返る新田氏

 新田氏は、地域包括ケアは街づくりといい、「地域の状況を町内会単位で把握し、要介護の人、認知症の人が何人いるのか知っているくらいでなければ、街づくりはできない」と述べた。
 現在、新田氏は診療所のある東京都国立市で、医療・介護職だけでなく、町内会長や民生委員も参加して地域包括ケアについて話し合う“まとまらない会議”を開催している。住民からさまざまな意見をもらい、収拾がつかなくなりそうになりながらも、何とか意見の集約点を見出すような会議という。住民が何を必要としているのか、まずは知ることが重要なのだ。

■「本人の選択」を重視した背景
 新田氏は、いわゆる「植木鉢」の図を基に、地域包括ケアの意味を再考した。
 この図は最初、鉢の下に「本人・家族の選択と心構え」とあった。しかし、「本人の選択と本人・家族の心構え」に変わった。本人の選択を重視すべきという原点に立ち戻るためだ。
 急性期などの現場では、本人の選択が重視される余地が少なく、法律上は代行者に過ぎない家族の意向に沿って、物事を決めていく。そういう現状に新田氏は疑問を呈した。

図1 地域包括ケアシステム「植木鉢」図の変遷

(左)2013年3月 地域包括ケア研究会報告、(右)平成27年度地域包括ケア研究会報告書より

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