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急がれる子どものアレルギー対策

 アトピー性皮膚炎や食物アレルギー等のアレルギー疾患を持つ子どもの割合が年々高くなっていると指摘される中、学校現場の養護教員たちがアトピー性皮膚炎の症状改善に効果のある温水シャワーの校内設置や食物アレルギーの児童・生徒に応じた学校給食の実施などの対策を国に求めている。

 児童・生徒の各種アレルギー疾患の実態については、文部科学省が今年4月に調査研究報告書を公表。調査は、全国の公立の小学校・中学校・高校・中等教育学校の計3万6,830校を対象に初めて実施された。児童・生徒の各種アレルギー疾患の有病率としては、ぜん息が5.7%、アトピー性皮膚炎が5.5%、アレルギー性鼻炎が9.2%、アレルギー性結膜炎が3.5%、食物アレルギーが2.6%、アナフィラキシーが0.14%という結果が示され、すべての学校のすべてのクラスに各種のアレルギー性疾患を持つ子どもがいる可能性のあることが判明した。
 アレルギーが起こる原因は不明だが、食生活の変化やさまざまな化学物質など環境の変化が影響しているという指摘があり、関係者によると、子どものアレルギー問題は数年前から深刻化し、年々、アレルギーを持つ子どもの割合は増えている。

 一方、具体的な対策を見ると、温水シャワーを設置している学校は全体の14.8%にとどまり、摂取した食物等に対するアレルギー反応が2臓器以上に出現し、血圧の低下や意識の消失に至る恐れがあるアナフィラキシーに関しても薬の保管場所を提供している学校は12.8%に過ぎなかった。

 こうした現状に対し、全日本教職員組合の養護教員部が民主党や日本共産党の国会議員と懇談するとともに、文科・厚生労働両省への要請を実施。
 活動に参加した埼玉県内の養護教員によると、体育の授業等による汗や紫外線、プールの消毒薬などがアトピー性皮膚炎を悪化させるという。重症のケースでは、学校に温水シャワーがないため、昼休み等に自宅に戻ってシャワーを浴びてくる子どももいたほか、給食調理室を完備した学校による「自校方式」ではなく、民間委託等で一括して給食を作る「センター方式」だったため、給食を食べられず保護者が小・中の9年間、給食のメニューに似せた代替の弁当を持参させていたアナフィラキシーを持つ子どもの例もあった。

 このような状況を踏まえ、同教員部は「アトピー性皮膚炎に対して温水シャワー浴には効果があり、汗を流すことで子どもの負担が軽くなるため、各学校に整備してほしい。また、『行政改革』で学校給食の民間委託等が進められているが、安全・安心面等で問題があり、食物アレルギーなどの子どもに対応できる自校方式による学校給食を実施すべき」と求めている。

 さらに、「生活保護を受けている保護者とそれに準ずる保護者は『学校病』に指定された疾病について医療費の援助を受けられることが『学校保健法』で定められているものの、同法は1958年に施行され、実態には合っていないため、アレルギー疾患を『学校病』に加える」ことも指摘。埼玉県内の養護教員は「今年4月にアレルギー疾患の実態が公表されたが、対策は学校任せで進んでいない。小泉内閣時代の『三位一体改革』で義務教育の国庫負担は2分の1から3分の1に減り、温水シャワーの整備などは現場には難しい。アレルギー疾患は体の問題だけではなく、成長期にある子どもたちの心にも影響も与えるだけに、こうしたことも配慮して国は対策を早急に充実させてほしい」と話している。



更新:2007/12/05 11:28   キャリアブレイン


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