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介護人材確保をめぐり与野党激論

 介護人材の確保を政治の立場からどのように果たすのか―。12月9日に東京都内で開かれたシンポジウム「介護人材確保に向けての緊急大集会!“介護は待ったなし”」。招かれた与野党の国会議員5人が、各党を代表して政策を闘わせた。待遇改善に必要となる介護費財源が論点となる中、与党議員が「厳しい財政事情もあり、負担と給付の関係を考えた上で国民も負担を覚悟する必要がある」と話す一方、野党議員が「財源をどこに当てるかは優先順位の問題で必ずしも負担増はいらない」と応酬するなど議論は対立した。しかし「人の命が一番大事」との認識では一致し、介護の問題に関して超党派で力を合わせることを確認した。(金子俊介)

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 介護人材の不足が深刻な社会問題になっている中、「待遇改善が喫緊の課題」として、NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」(樋口恵子理事長)は今年9月、介護従事者の賃金に1人月額3万円を上乗せする「介護人材確保緊急措置法(3万円法)」(仮)の制定を柱とする緊急提言を発表した。
 これに基づいて同会はシンポを開催。同会の樋口理事長とさわやか福祉財団の堀田力理事長が司会を務め、自民党の丹羽雄哉衆議院議員、公明党の古屋範子衆議院議員、民主党の山井和則衆議院議員、共産党の小池晃参議院議員、社民党の福島みずほ参議院議員が招かれ、議論を交わした。

 樋口理事長の「人材から介護保険が崩れていく状況をどう見るか」という質問に対し、議員らは「すぐに取り組むべき重要課題」との共通の認識を示した。しかし、介護従事者に低待遇をもたらす現行の介護報酬や、その根幹にある財源に関する議論になると、各党の見解は異なった。

 自民党の丹羽議員は介護保険の総給付費が発足当初の3.6兆円から7兆円に膨らんでいることを挙げた上で、「次世代への責任を考えても財源を抜きにしてただ上げろではだめ」と発言。「負担と給付を考えた上で、負担増も覚悟しなければならない」と話した。
 公明党の古屋議員も同じく与党の立場から財政への配慮を見せ、「現役世代に負担増を求めるといっても、徹底した歳出削減を行わなければ理解は得られない」と語った。与党議員から3万円法の是非に関する意見はなかった。

 その一方で、野党の3人の議員は同法に賛成の態度を示すとともに、「2009年4月に予定されている介護報酬改定の1年前倒しをするべき」との主張で一致した。
民主党の山井議員は党内で同会が提言した同法について検討していることを紹介。必要と見込まれる3,000億円を一般財源と介護保険料からまかなう具体像を示しながら、「来年の臨時国会への提出に向けて検討を重ねている。応援してほしい」と呼びかけた。
 共産党の小池議員は道路特定財源や米軍への思いやり予算など、現行の税金の使途を疑問視し、「すぐに負担増になるのはおかしい」と指摘。「財源をどう使うかは優先順位の問題」だと強調し、「政治が努力して介護分野への配分を増す必要がある」と訴えた。
 社民党の福島議員も日本の財政について「巨大なムダ遣いがあるのに小さいところにはケチ」だと指摘。その上で「医療や福祉の現場で働く人たち、また女性や若者の善意に国は寄りかかりすぎている」として、優先順位を変えることを求めた。

 議論の中で、堀田理事長は「どうやって介護人材の待遇を確保していくかは、突き詰めていけば消費税など負担増の議論になるのだろうが、その前に与野党で協力して国民が納得するビジョンを示すことが不可欠」と力説。「人の命が一番という認識では一致できるはず。力を合わせて考えてほしい」と話すと、議員らは大きくうなずいた。
 樋口理事長も最後に、「政党政治である以上、意見が対立するのは当然だが、命の安全保障である介護の分野に関しては、超党派で介護人材確保緊急措置法の実現をお願いしたい」と要望した。


更新:2007/12/11 11:56   キャリアブレイン


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