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死因究明制度、「大きな前進だ」

 厚生労働省の「死因究明等の在り方に関する検討会」は1月31日、医療事故の原因を公平・中立な立場で調べる医療安全調査委員会(仮称)をめぐる問題を中心に議論した。委員からは、調査委員会から捜査機関に通知すべきケースである「重大な過失」の範囲を問う意見も出たが、軽過失などの事案を刑事手続きに移行させないことを明確にしたため、「大きな前進だ」と評価する意見が多かった。

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 政府・与党と厚労省などが中心になって創設を検討している死因究明制度は、警察とは別の専門家によるチームが医療事故の原因を調べて再発防止につなげる仕組み。
 この検討会は昨年4月から議論を重ね、今回で11回目になる。

 しかし、医療機関が調査委員会に届け出るべき事案の範囲や医師法21条(異状死の届出義務)との関係などをめぐって意見が集約されていない。

この日の検討会で厚労省は、(1)医療安全調査委員会、(2)院内の事故調査委員会、(3)医療安全調査委員会への届け出の範囲――の3項目について制度設計を示し、議論を求めた。
これまで意見がまとまらない「調査委員会への届出の範囲」に関する議論を後回しにして、調査委員会が調査する範囲や院内事故調査委員会などの審議を優先した。

 このうち、医療安全調査委員会に関して厚労省は、遺族からの相談を受け付けること、一定の場合には同委員会が調査を実施せずに医療機関の判断に委ねることなどを提案した。
 また、医療安全調査委員会から捜査機関に通知する必要があるケースとして、「故意」「重大な過失」のほか、悪質な事案を挙げた。

 「重大な過失」について、委員からは「重大とは何かを議論する必要がある」との意見もあり、刑事事件に移行させる事案かどうかの線引きの難しさは依然として残っている。しかし、軽過失などの事案を刑事手続きに移行させないため「大きな前進だ」と評価する意見が多かった。
 前田座長は「この制度ができれば、医師法21条も実質的に大きく動いていく」と評価した。

■ 院内事故調査委員会との連携など
 
医療安全調査委員会が解剖を伴う調査をしないケースについて厚労省は、遺族が解剖を承諾しない場合や遺体がない場合などを示した。医療安全調査委員会が調査を実施しない場合は、院内の事故調査委員会や裁判外の機関を活用するなど、「当事者間の対応に委ねる」とした。

 このことについて、委員から「当事者間に委ねるというのは冷たい」として、医療安全調査委員会が院内の事故調査委員会を支援するなど、医療安全調査委員会と院内の事故調査委員会との連携を求める意見もあった。

 「院内事故調査委員会」は医療法などにより設置が義務付けられている「安全管理委員会」とは別で、厚労省は特定機能病院などの大病院に設置を義務付ける方針。中小病院や診療所について、厚労省は「さまざまな困難があると考えるが、その支援体制についてどう考えるか」としている。

 このほか、医療機関が調査委員会に届け出るべき事案の範囲について、届け出の判断に関するフローチャートを示した。これは、「誤った医療を行ったことが明らかか」という過失の有無を判断するレベルと、「行った医療に起因して患者が死亡したか」という因果関係を判断するレベルに分けている。

 フローチャートによると、調査委員会への届け出が必要な事案は、過失が明らかで因果関係が認められる事案と、過失が不明だが因果関係があり、かつ死亡を予期しなかった事案。しかし、このような難しい判断が医療現場で可能かどうかを懸念する声もあった。


更新:2008/01/31 10:53   キャリアブレイン


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