医師「総数として不足」政府認める
医療現場からの度重なる指摘にもかかわらず、これまで「医師は不足ではなく偏在」との見解を示してきた政府が、ようやく医師不足を認めた。2月12日に「医師は総数としても充足している状況にない」と閣議決定したのだ。あきらめずに現場から声を発し続けてきた医師は「まずは率直にうれしい。実際に施策に反映されていくことに期待したい」と話している。
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医師不足問題をめぐっては、「このままでは医師が過剰になる」として、政府が1982年、医学部の定員削減により医師数を抑制するよう閣議決定したことが始まりとされる。その後も、93年、97年と、政府は段階的に医学部定員の削減を進めてきた。
しかし近年、これに伴う弊害が各地で表面化。必要な医療が受けたいときに受けられなくなる「医療崩壊」が全国的に加速している。過酷な勤務を強いられる医療現場からは、早期の政策の見直しを求める声が続出していた。
これに対して、政府はこれまで「地域や診療科ごとの偏在であり、医師の総数は増え続けている」と、医師不足を認めない見解を貫いてきた。
このような状況の中、民主党の山井和則衆議院議員が政府に質問主意書を提出。分娩施設の減少や救急搬送の問題など実例を挙げながら、「現在も『医師は数的には基本的に足りている』という認識か」などと、政府の医師不足に関する見解を改めてただした。
この質問を受けた政府は2月12日、閣議決定した後、「医師数は総数としても充足している状況にはないものと認識している」との答弁書を提示。答弁書には、05年7月の「医師の需給に関する検討会報告書」の内容や、現状に対する有識者などからの意見を踏まえた上での修正であることが示されている。
現役外科医として診療に携わりながら、長年医師の増員を訴え続けてきた埼玉県済生会栗橋病院の副院長・本田宏氏は、今回の閣議決定について「政府はこれまで現場の指摘にかたくなに耳を貸さなかったが、ようやく私たちの声が届いた。これで現場にも夢がわいてくる。まずは率直に嬉しい」と評価。その上で、「実際にどのような施策に反映されるかが大事。これからの動きに期待していきたい」と話している。
更新:2008/02/13 15:32 キャリアブレイン
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