08年度診療報酬改定で中小病院は?

 2008年度診療報酬改定では、医科報酬プラス分の財源が勤務医対策に充てられるなど病院にとって比較的手厚い内容になった。しかし、10対1入院基本料や再診料の引き上げが決まる一方で、療養病棟入院基本料は軒並み引き下げられるなど、病院が受ける影響は一様ではない。今回の改定が中小病院にもたらすものは? 関係者の反応をまとめた。(兼松昭夫)

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■10対1でも「かろうじてプラスという程度」
 10対1入院基本料の引き上げは、地域で急性期医療を担う病院による算定が多い一方、この入院基本料を算定する病院で経営悪化が特に深刻化しているという判断からだ。具体的には、現在の1,269点を1,300点まで引き上げ、よりランクの高い7対1入院基本料(1,555点)との格差を縮小する。

 30点以上の大幅な引き上げだが、これがどれだけ追い風になるかは分からない。

 10対1を算定する東京都内の病院(一般82床)では、新しい診療報酬の具体的な運用に関する通知が出そろう3月以降に、今回の改定による影響を詳しく検証する。
 ただ、現時点の粗い試算では大幅な増収までは見込めず、「かろうじてプラスが期待できる程度」という見立て。入院基本料からの増収は期待できても、「デジタル映像化処理加算」など廃止・減算が決まったものもあるためだ。

 同病院の事務長は「せいぜい年間800万円ぐらいの増収ではないか。(点数が据え置かれる)13対1や15対1を算定している病院はかなり苦戦するだろう」と話す。

■医療の質評価の試みも
 療養病棟入院基本料では、「医療区分1・ADL区分3」だけは現在の885点に据え置くことが決まったものの、それ以外の区分の点数は14〜31点引き下げ=、「認知機能障害加算」(1日5点)も廃止する。
 また、患者が同意した「退院支援計画」どおりに退院できた場合に算定できる加算を新設するなど、早期退院を促す仕組みも整える。

 療養病棟入院基本料は患者の状態像に応じて報酬に差を付ける仕組みなので、軽症患者が多い病棟ではこれまで以上に苦戦を強いられることになりそうだ。
 
 東京都市部の病院(一般59床、療養56床)の事務局長は「厚労省にすれば、前回(06年)の改定で導入された患者分類を今回初めて検証した結果、収益の多いことが分かった部分を削っただけ」と話す。

 ただ、「(報酬が高くなる)医療必要度の高い患者をメーンに受け入れるなら、それなりの看護配置が必要だ。現在の点数設定では費用をカバーできない」とも。
「一般病棟の入院患者が動けないのは手術直後ぐらいだが、療養ではそうはいかない」

 医療機関の経営計画策定支援などの事業を展開するメディカルマネジメントオフィス(神奈川県大和市)の工藤高代表は、点数自体の引き下げよりも、医療の質の評価を実現するための布石が組み込まれた点に注目している。

 今回の改定で療養病棟には、「褥(じょく)そう」の発生割合やADLの低下度合いなどを継続的に測定・評価し、記録することが義務付けられる。厚労省によれば、将来的に医療の質を評価できるようにするのが狙いだ。

 工藤さんは「医療の質に対する評価で、従来の患者分類から一歩踏み込んだ内容になった」と受け止めている。
 成果主義的な考え方は回復期リハビリテーション病棟にも導入される。

「こうした考えは今後も広がる。入院した時点よりも特定の指標が悪化していたら報酬が低くなる時代が始まる」

■再診料「引き上げでも…」
 200床未満の中小病院が算定する再診料の3点引き上げに対する受け止め方も複雑だ。「外来管理加算」に、診察時間の目安として「最低でも5分以上の時間が必要」という考え方が盛り込まれたからだ。

 外来管理加算はこれまで、処置や検査などを必要としない患者に丁寧な説明をした場合などに算定してきた。患者にとっては、形のあるサービスを受けていないのに医療費だけを負担するように感じられるため、「処置をしない方が支払い額が高い」など分かりにくさを指摘する声があった。

 今回の見直しは、こうした分かりにくさを解消して医療サービスを受けていることを実感しやすくするための措置だ。
 例えば薬の処方などのためだけに外来を受診するいわゆる“お薬外来”では算定できなくなり、単純計算では、医師1人が1時間に診察できるのは12人になる。

 福岡県内の病院(189床)の医事担当者は「外来患者が多い病院ほど受ける影響が大きいのではないか。再診料の引き上げ分をマイナスが上回るかもしれない」と危ぐしている。


更新:2008/02/15 22:57     キャリアブレイン

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08/01/25配信

高次脳機能障害に向き合う 医師・ノンフィクションライター山田規畝子

医師の山田規畝子さんは、脳卒中に伴う高次脳機能障害により外科医としての道を絶たれました。しかし医師として[自分にしかできない仕事]も見えてきたようです。