死因究明にAi(画像病理診断)
日本医師会(日医、唐澤祥人会長)はこのほど、CT(コンピュータ断層撮影)などを利用した死因究明(Ai)に関する中間報告書を公表した。日医は昨年12月から解剖の補助的な診断方法として画像診断を活用する方法について検討しており、「今後『Aiを解剖の補助的診断方法として検討する』といった表現を第3次試案に盛り込むことが肝要である」と主張している。
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医療事故の処分、再発防止に重点 「Ai」と呼ばれる死因究明の方法が注目されている。「Ai」とは、Autopsy(解剖)とImaging(画像)を合わせた新しい言葉で、「死亡時画像病理診断」と呼ばれている。
諸外国に比べて死体の解剖数が極めて低いわが国は「死因不明社会」とも言われ、犯罪の見逃しにつながっているとの指摘も多い。
警察庁のまとめによると、わが国の解剖率はわずか9.5%にすぎない。2007年に全国の警察が扱った死体は15万4,579体で、このうち解剖したのは1万4,725体だった(司法解剖5,901、行政解剖8,824)。
死体の多くは警察官が体の表面から見て「事件性」を判断し、医師が触診して死因を特定する。解剖を行って死因を特定することは極めて少ない。
一方、医療現場では「異状死」の警察への届け出義務(医師法21条)が問題となっており、診療行為に関連した死亡のうち、いかなる範囲の事案を届け出るべきかが不明確との声も多い。
医療事故の原因を調査する第三者機関の創設を柱とした死因究明の在り方を審議している厚生労働省の検討会でも、医療機関が医療安全調査委員会(仮称)に届け出るべき事案の範囲が最大の争点になっている。
同検討会では、「再発防止」という制度の目的を重視して届け出の範囲を広げる意見や、「死因究明」を重視して解剖ができる事案に限定する意見などが対立している。
■ 死因究明にAi
3月12日の同検討会で、木下勝之委員(日本医師会常任理事)は「死亡時の画像病理診断、エーアイとよく言っているが、こうした仕組みを入れた上で調査することを現実的に考えていただきたい」と強く求めた。
日医の中間報告書でも、「Aiを解剖前のステップとして組み込むことが可能であると考えられる。今後『Aiを解剖の補助的診断方法として検討する』といった表現を第3次試案に盛り込むことが肝要である」と主張している。
日医はまた、Aiを実施している千葉大学などを中心として「Aiセンター」を設立することを提案。千葉県医師会と密接な関係が構築されている「千葉大学モデル」を地方単位で3〜4か所つくる案を示している。
また、幼児の死亡に関しては「全件Aiを義務化することから始め、大人にも拡大していく」としている。
このほか、Aiにかかる財源の問題にも触れ、「遺体を画像診断しても診療報酬としては算定されず、費用は医療機関の負担となる。このことは本来的ではない。今後、死亡時医学検索まで含めて医療費がかかるということを広く理解を求めていかなければならない。一方、死亡時医学検索は別の費用拠出を求めるべきと言う意見もある」として、財源について議論する必要性を指摘している。
更新:2008/03/31 12:59 キャリアブレイン
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