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三次救急は「吹きだまり」
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同検討会は前回まで、「医療ビジョン」の柱となる医師数を増やす方策などについて議論してきた。この日は、第二の柱として盛り込まれた救急医療の改善策と、「総合的な診療能力を持つ医師の育成」の項目に関連するヒアリングを実施した。
有賀氏はまず、東京都の急性期から慢性期の患者の流れについて、急性期には救急患者の受け入れ不能の問題があり、慢性期には長期療養できる社会資源が少ない現状を紹介。さらに、三次救急に低所得者層やホームレスなどが運ばれ、「社会の『吹きだまり』のようになって」おり、受け入れ先が見つからない状態であると指摘した。その上で、今年度から厚労省が救急受け入れ不能の問題の解決に向けて始めた新規事業「救急患者受け入れコーディネーター」に言及。「社会的な弱者が救急隊によって運ばれてくるときの心づもりをしていかないと、入口は渋滞現象になる」と述べ、コーディネーターは振り分ける機能だけでなく、そうした患者にも対応できる福祉行政の知識などを持っていることが必要とした。
また、二次救急については、「どこかいじくれば壊れる、ガラス細工のような状態」と指摘。地域と都市部で状態は違うが、各地域ですでに作り上げているネットワークや、医療機関の努力によって辛うじて現状を維持しているとした。その上で、「どこから上手に(改善を)やるか。初期、二次、三次をガラガラポンするのは問題」と述べ、既存のネットワークを崩すような救急医療の集約化は難しいとの見方を示した。
有賀氏はさらに、東京都では、救急搬送が年間約60万件あり、救急車が出払っている時に消防車を現場に先行させるといった「PA連携」が1日に約230件あることなどを紹介。東京消防庁では、▽119番受信時に、通報内容から患者の重症度や緊急度を判定して効率的な搬送に役立てる「コールトリアージ」▽救急隊が現場に到着した際、搬送が必要ないほど軽傷であると判断した場合に患者にその内容を伝達▽救急車を呼ぶべきか分からない都民に対して医師や看護師が電話相談−を実施していることも説明した。
■救助用ヘリを医療用にも活用を
また、東京消防庁はドクターヘリコプターについて、「総務省消防庁のヘリコプターを、医療用ヘリコプターとしても使用する方向で検討している」と紹介し、厚労省にも消防庁との連携を求めた。
このほか、武蔵野赤十字病院や国立成育医療センターで、救急患者来院時に看護師がトリアージを実施していることなども紹介した。
■「家庭医」と「専門医」連携を
葛西氏はカナダ家庭医学会認定家庭医療学専門医過程を修了し、北海道家庭医療学センターを創設して「家庭医養成研修システム」の構築などに携わってきた。葛西氏は、「家庭医」について、「健康問題や病気の8割を占める『日常よく遭遇する状態』を適切にケアでき、各科専門医やケアに関わる人々と連携し、患者の気持ち、家族の事情、地域の特性を考慮した、エビデンスに基づく『患者中心の医療』を実践できる医師」と説明した。
その上で、家庭医と、病因を重視して入院などを扱う「専門医」が連携すれば、▽住民の受療パターンが改善▽病院勤務医のQOLが向上▽基幹病院の各科専門医不足を緩和▽効率的にケアを提供することで無駄な医療費が減少▽長寿医療、予防、在宅医療のマンパワー確保▽「地域医療枠」の医学生に目指すキャリアパスを提示―などが期待できるとした。
さらに葛西氏は、都道府県単位以上の広域システムによって家庭医と家庭医療指導医を育成するなど、国民のニーズに応える質の高い家庭医の育成のための教育・評価・認定システムの構築を求めた。
これらのヒアリングを踏まえ、舛添厚労相は次のように述べた。
「救急医療はトリアージをどう位置付けるか。例えば、見事にトリアージできるお医者さんが一人地域にいると、それで助かる面があると思うが、逆に葛西先生が言った家庭医と専門医との連携がトリアージそのもの。家庭医が仮に、正確に判定できずに専門医との連携がうまくいかなかったとしたら、責任追及されることが医者として非常に心配だと思う。私が7年前の選挙で網膜剥離をやった時も、広島で遊説していて、そこで入った眼科の開業医は発見できなかった。静岡まで行って、夜中に(病院にかかり)当直の若い医師の医師免許を見たら『厚生労働大臣小泉純一郎』と書いてあった。彼が診たら失明寸前だった。遊説を取りやめて新幹線で帰り、ネットで検索して新宿の東京医科大病院に駆け込んで、眼は何とか(よく)なった。広島のお医者さんがちゃんと分かっていたらもっと早くよくなっていた。そもそもコンタクト専門医で本当に医者だったかどうか分からない。今取り締まりを厳しくやっているが」
( 2008年08月05日 19:55 キャリアブレイン )
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